グリム童話にある「小人の靴屋」。
寝ているうちに小人が靴を作ってくれるというお話です。(だいぶざっくり)
先日、止むに止まれず3Dプリンタを我が家に導入したのですが、まさにその働きっぷりは小人の靴屋な感じでした。
設計書をあらかじめそっと送っておくと、あとは私が料理してようがお買い物してようがお構いなしに、設計書通りのものを作ってくれます。
どんな感じかって?整理してみました。
作ったもの
ネット上にあるデータを元に、多少のリサイズなどは行いましたが作ってみました。
エレベータ付きすべり台
元データ
円周率がぐるぐる書いてあるペンスタンド
3.14から始まるよ。
元データ
レゴ用のソード
先っぽがモジョモジョしちゃったけどそれはそれで味があるようにも見える。
Thingiverseという3Dデータ共有サイトはいろんなジャンルのものがあって眺めていてとても楽しいです。
作成ステップ
いたって簡単。
- 気になる3Dデータを見つける
- ダウンロードする
- プリンタについているスライサーソフトを使って、3Dデータをプリンタで出力するための層状データに変換
- 3Dプリンタに送信して出力
これだけであとは放っておくだけで完成です。
だいたい完成時間や材料の使用量もすぐにわかるので、作成前の目安になります。
3Dプリンタってそもそも何?
3Dプリンタとは、まさに字のごとく立体物を作ることができるプリンタです。
従来のプリンタといえば平面のもの(紙とか)に印刷する機械を指していましたが、3Dプリンタは高さを持った立体のものを作ることができます。
商用のすごーいものから、個人向けのおてがるーなものまで、幅広くあります。
個人向けのものはつい数年前まで10万円台でも安い!とか言われてたのですが最近は10万円切るものも増えてきていて、結構身近な存在になりつつあります。
そのおかげで海外では一般の人たちが使う機会も増え、データの共有サイトもどんどんアイテムが増え、自分で立体のデータを作らなくても、人が考えたデータさえダウンロードすれば簡単に作ることができるようにもなってきました。
でも3Dプリンタの醍醐味はやはり、「アイディアを気軽に形にする。」とか「自分が欲しいものがかなりニッチなものでも作れちゃう。」という点ではないでしょうか。世の中既製品が溢れている中で「ここにぴったりハマるあれが欲しい。。。」って思っても、欲しいと思う人がたくさんいなければ手に入らなかったものが、自分一人だけのニーズでも実現することができるのです。
使った機材と選んだ理由
さて、今回私が使った3DプリンタはこちらのFLASHFORGE「adventurer3」という、2018年7月に登場した製品です。
私にとって初めての3Dプリンタだったのと、一度も3Dプリンタ自体使ったことがなかったので何がいいのか全然わからなかったのですが、下記の点でこの商品がいいな、と思って選びました。
- 本体がコンパクトだけど造形可能サイズは犠牲にしない
広くない家なので、コンパクトに越したことない。 - 作業中静音
なんだかんだ数時間かかることが多いから夜も気にせず使えるレベルかどうか。実際の作業音は我が家においては問題ない感じ。 - 立ち上がりが早い
比較対象ないけど、高温に達するまで待たない。 - 台から取り出しやすい
この機種は台の上のトレーが取り外せてしかも曲げられるのでできたものが取り出しやすい。 - ディスプレイがついている
進捗がわかりやすいし、設定周りも楽。 - 編集のソフトウェアがついている
3Dプリンタに最適化されているので最低限のことはできる。 - WiFiがついている
プリンタの置き場が離れているのでリモートで作業できるのは便利。 - 日本でサポートが受けられる
実は優先度高く見ていたポイント。初めての3Dプリンタということもあり何か絶対壁にぶち当たりそうだと思ったし、サポートが受けられるに越したことない。
ちなみに、フィラメントという、平面プリンタでいうならばインクやトナーみたいなプリントするための材料は、通常は糸状になっているのですが、200度以上の高温で溶かして層を作ってものを作ります。
本体全体が熱くなったりしやしないか、と思って設置場所の上下左右の空間の取り方にドキドキしたのですが、いざ使ってみると本体全体は全然熱くならず、部分的に高温になるだけだったので設置場所周辺が熱くなることはなかったです。安心。
フィラメントはいろんな素材や色があるのですが、とりあえず環境にも優しいし匂いもないPLAという素材で作成しています。(ちなみに、PLA自体は天然素材由来とはいえ、着色料はそうとは限らないので、口につける系のものを作るのは避けておいたほうがいいかもです。)
3Dプリンタの基礎的な知識はこちらのサイトがまとまってて参考になりました。
自分で造形も簡単
人が作った素敵なものを作るのは楽しいのですが、やはりオリジナルのものを作るのも楽しいです。
無料で簡単に3Dモデリング「Tinkercad」というサービスがあり、こちらをいじってみるのがおすすめです。
小学生でもできるシンプルさ。でもちゃんと造形ができるし、3Dプリンタ用のデータとしても出力できる優れものです。
実際学校で3Dプリンタを導入するところもでき、プログラミングに並んで現代の子供たちのスキルの一つになりそうです。
以上3Dプリンタの簡単な概要でした。
これからまた何か作ったら記事書いてみようっと。